サン・スリーパー/竜門勇気
 
のせいで目を覚ましてしまう
宝石みたいなエンジン
赤く錆びた路地は入り組むことが美徳と知って
世界の果てまで腐ったコンクリートで覆う計画を立てる

誰か僕を誰かと間違えてくれないかな
ヘッドフォンをつけて
メガネを掛けて帽子をかぶる偽物になりたいんだ
どこまでも歩いて行く
カビたベッドの上で
瞬きもせずに
想像の世界で

何度もドアノブをねじる
そのたびに違う場所に立っていて
帰れないんだなって思うんだ
何度もドアを越える
夢に辿りつけないから
その手前でどこまでも歩いて行く

昼間の睡眠
何もかも大きな音で聞こえる
太陽の光が夢を食べる
睡眠する太陽
光があんまり強すぎて
ドアの向こうは
凪いだ海だった
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