猫と神/森川美咲
青白い光の中
あふれているのは
誰かの幸せなつぶやき
そこに置かれているものは
ただ置かれているもので
歩みよって撫でても
噛みついてきたりしない
置物の猫のようなつぶやき
私だって何度も置いたし
いいね、って言ってもらったし
なのに
いつからかヤツら
噛みついてくる
引っ掻いてくる
お陰で私は傷だらけ
ささやかな幸せをいつも感じていられないことが
そんなにも責められるべきことなのか
他人の幸せを喜べないことが
そんなにも罪悪なのか
罰せよ
青白い光の神よ
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