再会/nm6
 
なしみが、忘れた、ここにないことが続いた世界が、とり替わってすっかりと、もう帰らないその再会を、ずれた線を涼しく通り過ぎて、なぞる、すきとおる白と、やわらかい黒と、いつか会えるかと思っていた彼女の金色が、やわらかさの忘却と、均一にかなしく広がって忘れた浮遊に、いつのことだったかやわらかさの、春、指先がわらいはじめた、口元が突き刺して、もう戻れないよ、わかったよ(わかっていない)、帰るよ(まだ帰らない)、再会を――



自分に酔ってはいけない
あのころ
指先から光線のように
口先から草原のように
まぶしく
ことばが出てきたのだ
きみに酔っているだけで
ことばが出てきたのだ
あるいは酒に
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