必要なうた/千波 一也
 


必要なことばかりが
もてはやされて

気がつけば
必要なことだらけ、の
世のなかになった

あそびのない遊びが
その象徴

幹も根もない言の葉が
その象徴

明るく軽く
選ばれやすく
ふわり、と積もる純真なる稚拙

重大なことたちは、もう
口も手足も埋もれてしまった






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