よいちとだいだらぼっち/……とある蛙
よいちがいちどだけ出会った日
だいだらぼっちに出会った日
サクラの花散るやまのみち
風にふかれて舞う花弁(はなびら)と
花弁を追う犬の子一ぴき
よいちは小さな村の子で
姉にはぐれて泣いていた
山より大きなだいだらぼっち
小さな小さなよいちを見つけ
大きな大きなてのひらで
やさしく頭をなでながら
どこのこ
だれのこ
泣きやまなぁ
やまのいきもの
悲しくならぁな
ひびきわたる大音声(だいおんじょう)
小動物はみなおそれ
首をすくめてやり過ごす
山三つ越えたさとの犬
おもわず昼間に遠吠えする
だいだらぼっちは迷い子を
慰め いたわり声かける
どこ
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