よその猫/
草野春心
きみの手についていた指は
たしかにきみの手についてはいたが
なんだかきみのものじゃないみたいに
肩におちた長い髪から 夕暮れの光をとりわけていた
わかることも わからないことも よその猫に似ていた
戻る
編
削
Point
(5)