不憫/アンドリュウ
世の中のもの凡てが不憫に思える時がある
皆沈むまいとして必死で水を掻いている
くしゃくしゃになりながら
それでも顔を歪めて嗤ってみる
そうだよなおまえも
騙されてここにいるんだよな
何が悪いとか
何がいいとか
勝手に決められて
最初から勝ち目はないんだよ
ただ温もりだけを信じて
ここをなんとか生き延びようとする
本物は皆知っているのさ
自分の無様な死にざまを
不憫 不憫 不憫
こんなずぶ濡れの躰でも
抱きあっていれば
互いの温もりで
少しの間救われる
甘い汁などないよ
勘違いしてるだけさ
だってオレ等は皆同じ
ただの木偶の坊の集まりさ
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