まくらとおねしょ/竜門勇気
 
とも触れることも出来ないし
ほんとだったら近づくのだってよく考えてからにした方がいい
ここにいるのは
バンドが一組
ガイドのリュックから
軽油を取り出し発電機のエンジンを掛けた

三分位?
そんなに短くないよ
ゆっくりやろう
途中やめになったら?
時間はいくらでもあるよ
土にも灰にもなれない場所だけど

ギターがハウリングを始めた
「シールドのシールドはシールドしてる?」
「ギターにシールドなんてないよ、ただシールドしてるだけだから…」
いつもなら笑える冗談も少し固いまま飲み込めないでいる

ドラムがシンバルを叩いては首をひねる
「なんだか何かが{ルビ飛沫=
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