航路/ノボル
 

切り離された
カプセルの
そのひとつに
僕はいて
まるで
手綱を握りでもするように
交信をする

1mm/hの距離を
どうしようもなく
漂って
離れていく
別のカプセルには
ずっと
君が乗ったままだ

言わないでしまった
いくつもの言葉から
僕はなにを言おう
その順番も
わからぬまま
雑音の
わずかな混信を聞く

もう疾うに
暗転をした
空間の
日に24ミリの
距離を測れば
すでに
永劫の
未来のよう

今はもう
闇ばかりある
その空間に
僕らの
航路はある
日に24ミリの
軌跡を分かちながら



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