濡れることも出来ない夏なんて/ホロウ・シカエルボク
 






閉じかけた目をもう一度開いて
あなたの世界にあるものをもう一度見つめて
彼らはあまり音をたてないように
あなたがきちんと目覚めるのをずっと待っている


テーブルに置き去られた飲みかけの紅茶と
その脇に閉じられた読みかけの本
栞が挟まれたページは
もう何年も変わることがないまま


あなた自身を離れることでどんな孤独を手に入れたの
あなた自身から目を逸らすことで
確信を偽っても真実はついてくることはない
あなたの開かれた目がちゃんとたどりついたものでなければ


窓の外は雨だけれど、目指すべき光が必ずあるから
濡れることなど気にしないで
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