わしは風/アンドリュウ
分前後で歩く事は当たり前のようになった
すれ違う人が皆 驚きの表情で四郎を見る
それは心地よい満足感を四郎にもたらした
そんなことを繰り返して一年ばかり経ったある日 四郎は走り始めた
走ればなんなく27分の壁をクリアすることが出来た。
足を触ると盛り上がった筋肉が鎧の様に足を覆っている
心肺機能も上がったのか息が切れる事もない
鼻歌を歌いながらかっては2時間近くかかっていた道のりを僅か15分くらいで駆け抜ける
おおなんということだ
糖尿病で高血圧で痛風で病院通いしていた昔が嘘のようだ
何故もっと早く気付かなかったんだ
風がこんなに心地よい風と同化して一体となって・・・
ピポ〜ピポ〜ピポ〜
78歳の四郎のラストランだった
戒名には走るの一字が加えられた事を追記しておこう
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