おはよう/栗山透
 
夜がそっと嘘をつくときに
わたしは夢をみる

左手に持っていた不思議な形の
雪みたいに白い、生温かいまるは
なんだったのだろう
光にあてると
白くて細い血管のようなものが
たくさん見えた


光は
黄色い夕日みたいな光
影は長く延びる 身長5m分の影
新しい血が詰まっている

おはよう
そこに君はいないよ

戻る   Point(1)