幻影のバラード/クローバー
も
誰にも会いに行きたくないと泣く人魚姫
ヘリウムをお腹いっぱいに吸い込んで
飛行船は浮き上がる
その高いところから変な声を恥ずかしがって
太陽の友達は
赤く染まる
英語で話をしようか
不自由な中で掬い取れるのは
必要なもの、を、ストレートで
お客さん大丈夫ですか
わかったよ
たましいを割るよ
そんなに飲めないから
届けられた白詰め草の冠
あの子の頭の大きさで
そうか、そうだよな、と声が出て
そんな挨拶しかできなくなってしまったのか、と
やっぱり君は正しいのだな、が
混ざり合って暗く空を覆っていった。
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