光と闇の詩人/Neutral
るぎない地盤を得て
しかし同時に妬みの言葉をも浴び続けていた詩人だったが
心はまだ失われてはいない
きっとずっとついてくるのだろう
それは自ら築き上げた大きすぎる名誉であり、過ち
だがボロボロになったノートを火にくべて
全ての過去は今、風になった
さあ詩人よ 今こそ お前はお前の空へ歩き出す時だ
どれほどの月日が経っただろう
歩き疲れて かつての記憶だった過去の作品たちが
もう何一つもなくなったことに
やっと彼は気づいた
栄誉を捨てて 自分を本当に本当に
見出したいだけだ
今や 光と闇の詩人だった姿は 見る影もなくなっていた
歩いて 歩いて
やがて道すら失い立ち止まったとき
そこに待っていてくれたのは 彼の詩を覚えていてくれた人達だった
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