押し黙る床に吹く風は/ホロウ・シカエルボク
たのかもしれない
取り繕っても拭いきれない気分だけが
きっとそんな風に生き残るのかもしれない
今日の太陽が死んでゆくけど
どうしてあげることも出来ないよ
今日の俺が腐り落ちて行くけど
さよならになるようなものは持ち合わせていないよ
みんなみんな鮮やかに過ぎる陽炎だったんだよ
みんなみんな鮮やかに過ぎる陽炎だったのさ
雨の降る季節を耐えて、揺らぐ温度を待っていたんだ、そうさ、いつだって未来とはそんな感じだった
判るかい、何もかもが終わった時だけ吹いてくる風があるよ
終わったものを運ぶためにそこに吹いてくるんだ
終わったものが居残ったテーブルは
綺麗に掃除されなくちゃいけないのさ
そんな風は決まって囁きのように吹いて
そうしてみんなそんなもののことは
すぐに
忘れてしまうだけなのさ
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