星を食べた少女/小原あき
星を食べた少女は
嘘ばかりついていたから
みんなから仲間はずれにされていた
私の涙はどんな花も空色に変える、とか
私のくしゃみは太陽をほんのすこし
地球から遠ざけることができる、とか
そんな嘘
わたしは少女と友達だから
それが本当だって知ってる
みんなに空色のひまわりを見せてあげよう
って言ったけど
ひまわりは黄色だからひまわりなんだよ
って返された
そんなこと、知ってるよ
―だけど、さあ
―――だって、ねえ
みんなに嘘じゃないって言ったら
わたしまで仲間はずれにされそうだから言わないよ
って言ったら
言わなくていいよ
それが本当だって
私は私が知ってればいんだもん
みんなと遊んでるとき
星を食べた少女は
一人でぽつん、と
星の本を見てる
どの星を食べたのか
探してるんだって
戻る 編 削 Point(13)