星を食べた少女/小原あき
 
星を食べた少女は
嘘ばかりついていたから
みんなから仲間はずれにされていた

私の涙はどんな花も空色に変える、とか
私のくしゃみは太陽をほんのすこし
地球から遠ざけることができる、とか
そんな嘘

わたしは少女と友達だから
それが本当だって知ってる

みんなに空色のひまわりを見せてあげよう
って言ったけど
ひまわりは黄色だからひまわりなんだよ
って返された

そんなこと、知ってるよ
―だけど、さあ
―――だって、ねえ

みんなに嘘じゃないって言ったら
わたしまで仲間はずれにされそうだから言わないよ
って言ったら
言わなくていいよ
それが本当だって
私は私が知ってればいんだもん


みんなと遊んでるとき
星を食べた少女は
一人でぽつん、と
星の本を見てる

どの星を食べたのか
探してるんだって







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