ルオー/soft_machine
り重なるようにとりかこみ、驚きと畏れ、未知のものに向ける好奇心と不安のまなざしで見下ろしている。レンブラントの『テュルプ博士の解剖学講義』に着想を得、ひと月あまりである程度の貌があらわれていた。しかし絵筆はそこから先へは絵を作らず、かといって壊しもしないあたりでうろうろと迷っていた。
私はいったん別の作品の構成をねることにし、筆を置きデッサンを床に並べ替えたりしていたが、ふと思い立って棚から一冊のふるい画帳をとりだした。それは私がまだ学生だった頃のものだ。ひらいた頁々には、はじまりの訳も終わりの意味も知らない、ただなにかを必死になって探そうとする線が拙くとぎれ、しかしおそれることなく、びっしり
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