灼熱の化石には肉体の名残は無い/ホロウ・シカエルボク
 


たったひとりで床に落とす

言葉のほうが確かなものに思えるんだ

女優のメイクはばっちりと決まっていてほしいけど

そこらへんの女はささやかに済ませてほしいっていうようなものって言えば判るかな

とにかく僕は詫びた

こぼれおちた言葉には名前を付けないんだ

乱雑な感情のままを映してくれなくちゃ



音楽が終わったら

誰のために語るの

静寂に塗りつぶされたら

どんなものが生まれるの

昏睡の中で見る夢のような

どんなふうにすればそれは語ることが出来るの

やがて僕の言葉は誰にも通じなくなる

頭の中で渦を巻いて

どこからも出てこなくなるだろう

もしかしたら

その時にはもう言えないだろうさよならを言うために

僕はこれを続けるのか

僕はこれを

ささやかなテーブルに残すのだろうか



静寂の中に

潜り込んで行け

傍観者なんかになってはならない













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