手紙 書かれた 七文字 だけ/シギ
 
何故にあたしはあなたを愛し
何故にあなたはあたしを愛すか

戦場の地の匂いも知らぬ
戦場の血の臭いも知らぬ
君はクツクツと笑いながら あたしに花を差し出した

あの時の空 あたしには忘れることも出来ずにいる

一片の言葉 帰ってくるから だなんて
信じてもいられない それでも

何故にあたしはあなたを愛し
何故にあなたはあたしを愛すか

あたしは手に赤い血溜まりを
あたしは胸にこんなにも汚い欲望を 感じながら 此処に

帰ってくるから と
あなたの言うたことを忘れはしません
あなたがあたしに捧げた 唯一の花は 枯れました
それでも あなたへの あたしの愛は 枯れません
未だ 遠く離れた場所でも あたしは あなたを愛しつづけているのです

約束を 信じて

何故にあたしはあなたを愛し
何故にあなたはあたしを愛すか
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