この小さな地上で出会う全ての人たちへ/hahen
 
にんげんは雨が降って来たときだけ
空を見上げるようになった
ぼくたちの知らないうちに
星が落ちるよ、
からからに乾いて
倦んだ陽だまりの中へ

ビバルディは四季の移り変わりに
音楽の調和を見たのでしょうか
あなたの中心に横たわる砂漠には
絶えず一つの小節があり
熱され、冷やされ、
柔らかく砕けていく
乾いていますね、
乞うことを忘れた唇だけが
こわばっていく

ニーチェは獅子の次に駱駝を尊び
獅子よりも小児を愛した
あなたはどこにでも並んでいる
ナボコフのロリータを
手に取れないまま
パガニーニを演奏する
たおやかな頬を寄せて
駱駝になろうとするぼく
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