風船/ららばい
きみの胸には
破裂しそうなほどふくらんだ風船があるから
あっぷあっぷなって苦しいね
誰かがそれをパチンとつぶそうとするから
両手いっぱい抱えて守るんだね
風船はそのままでいいよ
誰かが針を持ってきたら
逃げてしまうのもひとつの手だよ
苦しかったらちょっとしぼめてみても
誰かが温かい空気を吹き込んでくれるなら
もっともっとふくらましていいよ
きみは空にあこがれているけれど
気づいたときには
きみはどんどん広がって
どんなに大きな風船も守れるようになるよ
戻る 編 削 Point(1)