風船/ららばい
 
きみの胸には
破裂しそうなほどふくらんだ風船があるから
あっぷあっぷなって苦しいね
誰かがそれをパチンとつぶそうとするから
両手いっぱい抱えて守るんだね

風船はそのままでいいよ
誰かが針を持ってきたら
逃げてしまうのもひとつの手だよ
苦しかったらちょっとしぼめてみても
誰かが温かい空気を吹き込んでくれるなら
もっともっとふくらましていいよ

きみは空にあこがれているけれど
気づいたときには
きみはどんどん広がって
どんなに大きな風船も守れるようになるよ


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