ホット・スタッフ/ホロウ・シカエルボク
ルーティンワークのように
絶叫し続ける脳髄は
血肉のような調子を欲しがる
ほら、もっと
ほら、もっと
よだれを垂らしながら…
浮浪者の死体を齧っていた野良犬が射殺された
「あいつ笑いながら死んでたよ」って
引金を引いた男は言っていた
ふん、相当に美味いもんらしいな
良かったじゃないか、末期の水にはもったいないくらい
死ぬ前に齧ったのか
死んでから齧ったのか知らんけどさ
二十歳そこそこのバックパッカーが無残な姿で発見されたある日の朝
バイクに乗ってちょうどそのあたりを走っていたんだ
疑いをかけられてさ、えらい目にあった
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