可能性の地獄/yamadahifumi
 
溢れているのはあくまで、よくできた悪夢であり、現実ではない。僕の考えでは、現実主義者というのが一番夢を見ている存在だ。彼らはもはや、現実というのがある点から一つの悪夢に代わった事に気がついていないのだ。


 さて、これらの事が僕の言う『可能性の地獄』という概念に相当する。だが、それに対する処方箋は僕は知らない。僕は医者ではなく、どちらかという患者側の人間なので、薬に関してはそれぞれが発明するしかないだろうと思う。世界は今、真っ二つに矛盾しているが、これを認識しないものは、それそのものによって自身を二つに引き裂かれる事だろう。とりあえず、今の所、僕の考えている所はそんなものだ。また機会あれば新たな論考も書くかもしれない。それまでは、では。

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