again/アンドリュウ
何も言えない奴だったけど
いつもじっと私を見ていた
嬉しい時も悲しい時も
いつも私の方を向いていた
私は良い飼い主ではなかったから
抱きしめてやることもしなかった
時たま気まぐれに荒々しく触るだけ
それでも嬉しそうに尾を振っていた
あの夏の日
ひどい雷の後で
私に拾われてから
どんなにひどい扱いをしても
いつも私をみてくれた
真っすぐな曇りのない目で
いつでも私のそばに寄り添っていてくれた
私がどん底を這いずり回っている時も
いつも私の傍らにいて
見えない長い舌で私の心を全身を
舐め続けてくれた
オマエガいてくれたおかげで
私はなんとか今日まで生き延
[次のページ]
戻る 編 削 Point(0)