村上れんじ「コンビニ弁当」/花形新次
コンビニ弁当がなかった時代
単身赴任が成り立っていたのか
恐らく成り立っていなかっただろう
でも団塊の世代は嫌いなので
大変だったとしたって
ザマアミロとしか思わない
今は毎日コンビニ弁当で大丈夫
サラダでもつけりゃなおいい
デザートだって選り取りみどりだ
ヒャッホー、嬉しい、嬉しい
嬉しくなって踊りたくなったら
バイトの女子大生に頼んでみる
「僕と踊ってくれませんか?」
「喜んで」
僕と女子大生二人
弁当の棚の前でステップを踏みながら
二番目にお並びのお客様どうぞ
と言うと二番目のお客様が
僕らに加わり
踊りの輪はどんどん広がっていく
(村上れんじ詩集「単身赴任」より)
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