顔の無い人たちの憂鬱/opus
夜中の公園
顔の無い人が二人
ベンチに腰掛け
ただずんでいる
僕はというと
犬の散歩に来ていて
遠目にその様子を見ている
二人はびくともせずに
手を重ね合わせ
顔を伏せ
小声で何か話している
何かがあったのだろう事は一目瞭然
そっとしておいてあげようと
思うのも束の間
犬が二人の方へ行く
それでも、まだ距離があるから
大丈夫だろうと
安心していたのが間違い
犬は
ズンズン
ズンズン
そっちへ
駄目だよ!!
空気読めよ!!
とか思いながらも、
犬はわかりはしない
ズンズン
ズンズン
そっちへ行って、
目の前で立ち止まる
立ち
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