積み木/千波 一也
 


苦々しい喜びや
清々しい恥じらいが
わたしの背中を支えてくれる

寒々しい真実や
みずみずしい偽りが
わたしの肩を持ち上げてくれる

どうしたって
戻れないのが過去ならば
どうしたって
訪れるのが
未来たち

そうしてわたしは
完成されつつある至らなさを
なぜだか胸に抱き締める
大切そうに抱き締める





戻る   Point(5)