スリッパ/
草野春心
磨かれた床に映りこむ
月が清潔すぎるからと言って
あなたはスリッパを履いたのだ
けれどもいつもと変わらぬそぶりで
私を抱きしめてくれますか
どうか抱きしめていてくれますか
とじた眼に押し込めた闇の
ほうぼうできらめくなにかのしるしが
聞かされ慣れた言葉たちにその姿を変えるまで
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