「起因 」 散文詩/アラガイs
「血の起因というものは自らの意思では切り離せない。
それを人類は延々と見届けてきた 」。
くり返されることによって生じる不幸とは、それらが臆病な性質に起因しているとは誰も思わない 。
例えば、養豚場で飼い慣らされた豚などは人類の食卓に微笑みをもたらそうなどとは夢にも思わない 。
牧童に連れられた羊、ヒマラヤの奥深く少数民族によって放牧されて育つヤクなどもそうである 。
人類は限りない欲望を満たすため、草食動物を更に臆病な性質へと導いてきた。
その結果飼い慣らされてきた草食動物たちの楽しみと云えば、与えられた餌を日々食べ続けることであり、天敵によって脅かされることのない保管さ
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