ある朝/山部 佳
 
トラックの運転手や作業服の男たちで賑う
国道沿いのコンビニの朝

駐車場の隅の喫煙コーナーに
隠れるように佇んでいる
くすんだ鶯色のトレーナーに古びたGパン
真新しさが不釣合いなスニーカー
その男は、何かに怯えたような眼をして
紙パックの鬼殺しをストローで飲みながら
通り過ぎる自転車の女子高生や
国道へ出ていくトラックやワゴンを見送っていた

私は運転席で上着を作業衣に着替え
トラックの運転手や作業員や高校生の側につく
当たり前の生活者の仲間に

男はこれから
ハローワークに行くかもしれない
ごみ集積所へアルミ缶を集めに行くかもしれない
あるいは
橋の上から
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