曇りの日/朧月
 
自分の中に小さい自分がいっぱいいて
こんな曇りの日にはざわざわ動く

大切にして
大切にしてってうるさい

粗末に扱われたのがなんだっていうんだ
ああ小さいままでいたかったなぁ

みため大人なのがやばいよね
子供の頃になんか戻りたくもないのに

さっと過ぎてゆく登校中の自転車に
振り返ったりなんかしてさ

心の中の声なんかに
傾けなくてもいい耳は
なぜ閉じられないのかな

休むことのないつばめの母さん
運ぶエサはなにを育てるため?

曇った目でさえないあたしを
叱咤するように鳴いている
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