鏡の人/BuGACiD
 
 表に浮かぶ

 都合を飾る記憶と

 その背景に

 無駄と消える記憶


 絵の具は明度を失い

 乾いた自画像を描く

 
 この手にあると

 高く

 高くと

 飛ばして


 心にいると

 深く

 深くへ

 刻んで

 思いを

 描いてゆく

 
 色を失い

 枯れた肖像が

 泣いているとも知らずに
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