鏡の人/
BuGACiD
表に浮かぶ
都合を飾る記憶と
その背景に
無駄と消える記憶
絵の具は明度を失い
乾いた自画像を描く
この手にあると
高く
高くと
飛ばして
心にいると
深く
深くへ
刻んで
思いを
描いてゆく
色を失い
枯れた肖像が
泣いているとも知らずに
戻る
編
削
Point
(1)