己/
春日野佐秀
己の存在に疑問を抱いた時
一人の哲学者が生まれた
己の存在に恐怖を抱いた時
一人の悪魔が生まれた
哲学者は悪魔という疑問を追い続け
悪魔は哲学者という恐怖を追い続け
だが決して あいまみえることは なく
哲学者は己に恐怖を抱き
悪魔は己に疑問を抱く
彼らは善人か?答えは No
彼らは悪人か?答えは No
人の本質など 何もない
みなスタートは一緒
白紙
彼らは気づく
ああ それこそが自分なのだと
戻る
編
削
Point
(4)