胸の栞/唐草フウ
何だか失恋が急に降ったようなある曜日
んん、たしか晴れてたから
顔を出した太陽からは避けられない 一日が稲妻
あれから時間は淡々と
寝息が規則正しいみたく
それを眠れない耳で聞いてる なぐさめの秒針
こんなに思い浮かべたことは
いままでなかった
こんなに耳をふさぐなんてことも
いままでなかった
雷はいつかどこかへ行くけど
胸に吸い込んだ砂のガサガサ
まだ
吐き出せそうにもなく
どこかで栞をちゃんとおいて
そこからはもう自由に
好きな方向へ走り出せるかな
でもたぶん思ってるね
思ってるね
戻る 編 削 Point(9)