われまどぎわりろん/ねなぎ
 
ンの風を
額で受けたまま
横目の
景色だけが
流れていくのに
こちらは動けないまま
冷やされて
曇ったガラスの
湿気が
伝うのが

気色悪い

取り敢えず
急がせようと思ったら
ラジオの声が
邪魔して
怒鳴るように
喋れば
舌打ちの
返事

そのまま
無言だったら
曲がる所を
間違えてやがって
見覚えのある
曲がり角が
通り過ぎて
行くんで
曲がれと
張り上げたら

急に

ハンドルを

切って

体が
傾いて

擦れて

焼けるように

目の前で

天板が

フロントを

音が
響いて

つんざめいて

どこかしろから
鳴り響いいて

鉄と
ガラスと

擦り合わせて

突き破って

砕けて

飛び跳ねて

散らばって

音がして

止まり


動けないまま


目の前の
破片の
残骸と

側頭部が

熱くて

ズキズキとした
痛みを

手で拭ったら
べたべたとした


赤い
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