僕らが首を吊る理由 / 鎖骨/クナリ
■僕らが首を吊る理由■
産まれ落ちてからしばらくして
自分の体を初めて顧みた時
最初に気付いたのは
自分の手のあまりの小ささだった
どうしていいか分からないまま
少しずつ何かをするたびに
間違えて
つまづいて
傷つけて
後退した
そのたびに僕を助けてくれたのは
いつだって女の人だった
再生も
女嫌いも
僕の心のありようが変わった時
いつも女の人が傍にいた
女には男が抱けるのに
男には女が 本当には抱けない気がする
際限の無い沼の底へ
諦観の薄笑いを浮かべながら潜って行く僕を
よかったらこっちへおいでよ、と
そっちよりは悪くないよ、と
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