朔/シギ
らば 夜を裂いて泣けば良いものを
そうしたならば 今 無き月が姿を現すだろうに
嗚呼 君の視線は何処へ向く
此の愚かな世からは目を逸らすのか
嗚呼 それは此の穢れた世が悪いのか
それは泣かぬ君が悪いのか
それは泣くことを促さぬ僕が悪いのか
笑えなどしない どうして笑わぬ 能面の君
泣きたいと望むのならば 夜を裂いて泣けば良いものを
そうしたならば 今 無き月が姿を現すだろうに
君が笑わぬ 僕も笑えぬ
君が泣かぬ 僕も泣かぬ
嗚呼 それは此の穢れた世が悪いのか
それは泣かぬ君が悪いのか
それは泣くことを促さぬ僕が悪いのか
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