アニー my ラブ/佐久間 肇
 
地で
ツリーの頂点に 刺される気がして
まだ女の子のあたしは
内股がむずむずして 怖かった

         ・

    そこはまだダメよ、と背中から言われた
    本当は 足を見せちゃ、ダメだったんでしょ?
    オオカミは パパほどかっこう良くないと、思っていた

         ・

ダイアリーのページをめくると
いなくなった彼の顔が浮き出てくる
蝉のようにせわしない鳴きかたをした 彼
リズムで

   あ

 あ・・・ あ・・・

        ・

    彼は 泣いていたのだっけ? 怒っていたのだっけ?
    白いものを好んだ 彼の好きだった彼女たちは
    全員

        ・

巨大な白いものを 薄うく削って
後悔みたいなものを さらさらと埋めつくしてゆく
紅いものが ポトリと落ちたら
目立ってしまうから

あたしは 怖かった
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