才能のない批評家から、才能ある新人作家への提言/yamadahifumi
事を趣味的に見ている。浅く、薄く見ている。だけど、君の人生がそれに合わせて、浅く薄くなる必要はない。だから、それから身を守る為には、孤独が必要なんだ。君自身しか持てない、大切な孤独というものが。・・・・・・それでは、僕は去るよ。僕は、期待しているよ。君の新作に。君はこれから傑作を書く人間だ。だから、僕はしがない一読者の身分として、君の作品を待っている事にする。まあ、世の中に負けない事だよ。そして、世の中に闘いを挑むべきだね。僕達は。それが絶対に負ける闘いとわかっていても、それでも、それはやってみる価値があると思うんだよ。それでは、僕はもう去るよ。さよなら。・・・・新作、楽しみにしているよ。」
そんな無法な言葉を浴びせかけられた才能ある新人作家は、頭を一つ振って立ち上がり、街のにぎやかな方へと歩いて行った。彼は、今突然浴びせかけられたそんなろくでない言葉を早く忘れたかったのだった。
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