外科医より君へ/yamadahifumi
 
きない奴には腹が立つ。でも、君はそれだけだ。君はもう三十だ。君は今、焦っている。そして自分を振り返って、君は少しだけぞっとする。君は眠る前には、天井のシミだけは見ないようにする。あれを見ると、何かしら子供の頃の悪い記憶が蘇ってくる気がするからだ。だから君はかすかに明かりをつけたまま眠る。そして翌朝が来る。全ては何も変わっていない。そして君だけが少しずつ年を取っている。少しずつ、少しずつ。君は急に結婚を考える。結婚相手もいないのに。結婚して、綺麗な奥さんがいれば、君は幸せになれるような気がする。でも、夫として、父としての君自身を想像する事はできない。君はただ、結婚というものをなんとなく考えてみたに過
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