外科医より君へ/yamadahifumi
れに君は君の恋人とももう別れてしまった。何故かというと、君にはその人達が、君自身の存在とはまるで関係のない事について話したり喋ったりしているように感じられたからだ。君は恋人と抱き合っていても、そこに君の存在はなかった。君はいつの間にか、一人で寂しがる方が寂しさを紛らわせようとするより楽だという事に気づいた。だから今君は、部屋で一人パソコンに向かって、この僕の言葉を聞いている。
そうだろう?。
君は僕に対しては、何一つ隠す事はない。君は僕には何一つ嘘をつく必要はない。君が今必要なのは、真実だ。君は病人が特効薬を求めるようにして真実をもとめている。だが、そんな君に真実を処方してくれる医者は
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