塔の寓話/……とある蛙
 
と闘争し始めた。
 その結果、また、雑多な思想が生まれ、塔を壊しながら闘争しはじめた。そのうち塔を一挙に崩壊させる技術を考える集団が現れた。その結果、塔は一挙に崩壊した。その時点では、闘争の目的はすでに失われ、自分の属する集団の権威の維持及び人的支配の拡大のみが闘争の目的になっていった。

 それから数千年、集団同士の闘争に生き抜けない放浪の貧しい集団は、その記憶を神話にとどめた。そして、自分の権威付けにその記憶を利用するのだった。
戻る   Point(7)