小部屋の白いソファ/ういち
テレビは成長できないままで、仕方なさそうに言葉をなりふりかまわず嘔吐し、発光していた。
「先行きの見えない不況なんだ?」
天井の梁は遥か高くから見おろす。
「そうなのかもね。」
大量の白い堤燈が空間を占拠していた。
「なんで?」
水槽の中では、丸背箱亀が民芸品よりも美しかった。
「昔よりもお金の流れが悪くなったんだ。
でも、皆昔と同じくらい楽しんで、同じくらいの文化がある、それなのに何がそんなに大騒ぎするほど不況なのかわからないけど。」
ソファは深く、子豚の耳のように柔らかかった。
「言葉のせいなのか
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