雪に埋れた古木のように/beebee

サラリーマンとして
骨を埋めるところを探していた
降り積もった雪の中から
首を出す古木のように
少しの隙間を残して
雪に埋まり
冷たい空気に息を継ぎながら
静かな時間と透明な空気の中で
時間をかけて肌を晒し
皺を刻み付ける
想いは尽くしたのか
風に舐られながら
遠くを見ていた
一匹のウサギが雪を掻き分け
身を摺り寄せる
優しい暖かさに身を任せ
目を瞑ると
茜色の夢が少しづつ身を浸し
意識が拡散した
想いは尽くしたのか
風が吹いている
静かな自分に吹いている
土色の緑
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