もうひとつの端/
草野春心
牛乳の空瓶が 端に
置かれたベンチのもうひとつの端に
腰掛けていた女は ついさっき
どこかへ出かけてしまった
透明な管のなかを、只々
往ったり来たりしているみたいな風が
わたしのところで塞き止められる
ほかになにか
気にかけることが
あったはずだ わたしにも もちろん あなたにも
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