この静寂/
ichirou
夜
カエルの鳴き声はひっきりなし
奴らの鳴き声のリズムのゆらぎで
僕はクラクラ酔っ払う
そんな奴らが何かを感じたのか
突然一斉に鳴き止み
あたりは
深い静寂に包まれる
耳が静寂に慣れた頃
遠くの水路の水音と
植えられたばかりの苗葉のこすれる音が聞こえてきて
田んぼの匂いが漂い始める
月明かりに照らされる雲と田んぼの水面が
神秘的で
耳の産毛がサワサワする
今しか分からない
この静寂
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