信実は/
ウィメンズデニム
律儀に少年が四時半に路地を曲がる
風は近所の焚き火の匂ひに姿を変へた頃だつた
町が暗がりに沈むと律儀に街灯が灯る
風も又入れ代わるやうに夕飯の香りに姿を変へる
香りは風にありき
風が吹かねば届かぬか
人想ふ心も言葉ありきとは本当か
何とも無ひ言葉でも想ひと云ふ香りに良く似たものを何時しか彼も感じたりはせぬか
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