門のむこうから/草野春心
 


  門のむこうから
  犬らしき影が近づいてくる
  私は 昨夜みた夢のなかで書いた
  一篇の詩を 門のこちら側に置いて待っているのだが
  犬らしき影は 近づいてくるだけで 決してこちら側には来ない
  それに 外側に居るのが影なのか私なのかわからないから
  日はいつまでも 永遠に 暮れそうにない



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