五月にこんにちは/かの
ぬるい日にさようならした
五月の晴れの日に地球の上にいて
太陽は赤でないけど日差しは赤のようだ
目に見えないものはみんなの中で
限らない
わたしの通りと限らない
銀河でチョコレートの包みを開く
わたしの中で宇宙の味がした
残った紙で鶴を折った
飛んでいく気がした
それがわたしの鎮静剤だった
あなたはそれでどう思った
それでわたしは話し始めた
あなたはそれで目を伏せた
それでわたしはたんたんと
それでわたしはたんたんと
あなたはそこで
そこになってやっと痛みを知るんでしょう
それでもわたしはたんたんと
ストローからブラックホールを吸い込んだ
わたしの口は少し乾いた
コップについた汗がつたっていくのを
わたしたちはながめていた
泣いていればいいと思った
わたしでもあなたでもいい
泣いていればいいと思った
わたしたちはそれで別れた
日差しは何色か
話し合うこともなく
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